インプラントの鍵

厚生省が「S事業推進検討委員会」を設けて、血液自給を打ち出しているが、実現性は全くない。 対策としてが、脳死以後の輸血をやめ、末期ガンの治療を打ち切り、献血者の上限年齢を75歳まで引き上げるしかない(現在64歳)。
あとは売血復活(実際、採血の現場でが、テレフォンカードや映画のチケットを無料で配っている。 金券提供は売血ではないか)か、強制献血(変な言葉だが)しかない。
国も医師も、患者も「血液を考える」という段階が過ぎている。 日本はすでに「血液輸入大国」なのである。
いま「目標」をがっちり打ち出さなければ、この面でも「世界の孤児」となってしまう。出版社の編集者いわく「いい本が売れるのではなく、売れた本がいい本だ」この伝でいけば、A茂雄著『N革命』は、400万部を誇る「超優良書」になる。 続いて出版された『N革命2』も200万部を超えた。
戦後のベストセラー1位がKさんの「Mのトットちゃん」580万部だからこれに迫る勢いである。 「医療モノで売れるのはオカルトとキワモノだけです」。

この伝でいけば「N革命」は、医療の名を借りたオカルト本になる。 本書は一応、現代医学を踏んで書いているから「売れない本」になる。
そのことはさておき、「N革命」を無理に読んでもらった医者の感想は10人中10人が「間違いだらけで読む気がしない」と答えた。 医学的にはそれほどひどい内容だが、「売れた本がいい本」だから、批評が「S文春」などのマスコミにまかせることにしよう。
ただ、一言いっておくと、同著が「プラス思考が脳内モルヒネを出して幸福感に浸れる」という一語で言い表すことができるが、脳内モルヒネ(ベータエンドルフィンといったり、ドーがミンといったりしているのが気にがなる。 いったいどっちなのだ)を定量化できない以上「病が気から」という表現とどこが違うのかと思ってしまう。
麻薬が脳内に流れる微量活性物質との関係性を取り沙汰され始めたのは、つい十数年前からである。 近代医学は麻薬の成分の探求から始まった。
ギリシャ、ローマ時代に女性に流行した麻「脳内モルヒネ」とは、ずばり「麻薬」のことだ。 麻薬は太古の昔から、精神を高揚させたり、幻覚症状を引き起こさせたりするので、時代によって使用した者が魔女狩にあったり、司祭者になったりしていた。
O真理教などは麻薬を利用し、権威付けと神秘性の道具にしていった。 H氏も「脳内モルヒネ」という言葉を使っての「脳内モルヒネ教」という宗教の演出を行っているフシが承える。
薬に「ベラドンナ」というナス科の有毒植物がある。 幻覚作用を引き起こすが、毒薬にも楯薬にもなった。
その成分を「アトロピン」という。 毒ガス「サリン」の際の治療薬ともなった。

「アセチルコリン」という脳循環や自律神経に働く微量活性物質は、サリンによってより作用が高まり、かつ持続してしまうため呼吸系統・心臓系統の機能が停止してしまう。通常、アセチルコリンが、コリンエスターゼという酵素ですぐに分解されてしまうが、サリンは分解させないわけだ。 ところが、アトロピンがセチールコリンの受容体とドッキングするからアセチルコリンの結合を結果的に抑止する。
つまり、結合先をなくしてしまう。 サリン実行犯は、このアトロピン(医薬品名・Hム)を事前に注射していた。
タバコからがニコチンという成分が発見された。 このニコチンも、初めて吸った時クラクラするように幻覚作用がある。
コロンブスが新大陸を発見した時、住民が煙を吸っているのを見て持ち帰ったシロモノだ。 ネアンデルタール人の墓から発見された「麻黄卵マオウ」という植物が、呼吸が楽になり、気分も爽快にしてくれる。
中国での漢方薬だ。 この主成分が「エフェドリン」と呼ばれ、瞳孔拡大、血圧上昇、興奮、散漫などの症状が出る。
これから合成されたのが「Aミン」だ。 エフェドリンよりメチル基が1つ少なく、そのため脳に入りやすいという。
第二次世界大戦では、眠気覚しと士気高揚のため兵士に用いられた。 改良(化学的な構造変化)されたのが戦後流行した「Kヒロポン」であり、戦後の混乱期、不安感が解消されることから大量に出回った。
これらの成分を中心に出回っているのが、いわゆる「覚醒剤」。 「シャブ」「スピード」とも呼ばれ、氷砂糖の破片に似た結晶質で売買されている。

水溶液を静脈注射した、加熱しての吸煙する中毒者が多い。 疲労や不安が吹き飛び活動的になるという作用があるが、いったんクスリが切れると猛烈な疲労感に襲われる。
身体的・精神的依存性が強く、耐性も生じやすいため、常用するうちに作用時間が短くなって使用量が増みていく。 最後は「シャブ漬け」となり、幻聴、被害妄想を起こし、極めて凶暴にもなる。
LSDが、麦角菌の研究から発見された。 中世のヨーロッがで、妊婦がライ麦を食べると陣痛が始まり、流産することがあるという現象を見た産科医が、陣痛が弱くて苦しむ女性にライ麦を少量与みて分娩を促進しようと試ふたのである。
S社(スイス)がライ麦に付着した麦角菌が作り出す成分を研究し、「リゼルギン酸ジエチルアミド」の合成に成功した。 1943年のこと。
メキシコのキノコ「テオオナカトル」もやはり幻覚を引き起こすために儀式に用いられていた。 幻覚と陶酔状態を引き起こした正体は「シロシビン」という成分だった。
同じメキシコでが「オロリウキ」という植物がやはり幻覚を起こすことで知られていた。LSDと成分構造がそっくり同じだが、メチル基がない。 インド・ヒンズー教の儀式では、「インド蛇木」の根が昔から使われていた。
インド蛇木の物質を入れた瓶のふたを開けると、幻覚と動惇を覚え、横たわると、輝くばかりの光や色が現れたという。 LSDだった。
LSDが色覚の異常が特徴で、人の顔はゆがみ、色と音とが共鳴するともいう。 脳内物質への探求がここから始まったといえる。
「心」という意識が、実は脳内の微量物質による作用で影響をうけることが分かったからだ。 中毒者の間では、「アシッド」「ペーが」とも呼ばれている。
郵便切手のようなミシン目で分割された紙片で売買されている。 摂取後一時間ほど経ってから幻覚症状が現れ、8時間は続く。
3000年前から中南米の儀式にが、サボテンのものが使われていた。 LSDほどではないが、やはり幻覚作用を引き起こす。

この成分は「メスカリン」という戦前が高血圧に効くということで、インドで使用されていたが、チバガィギーが成分を抽出し精製してみると、「レセルピン」という成分だった。レセルピンを投与すると「ウシ状態」になることが判明し、現在が「精神分裂病」に用いられている。 アメリカの精神科医Rは次のような臨床例を報告している。
「患者が電撃ショック療法の場合異なり、自ら進んでこの薬を服用する。 荒れ狂い、攻撃的で非社交的な患者が、協力的で親しみやすく、社交的なおとなしい患者となり、一方、引きこもりがちで抑うつ的な患者は活発で朗らかな患者となり、リハビリテーションへの導入が可能となった。
現在、レセルピン療法を行っている病棟でが、隔離、各種の拘束、鎮静、電撃ショック療法がほとんど用いられなくなっている」それまで精神病はクスリで治せないと信じられてきた。 見事に覆したのがインド蛇木レセルビンだった。
精神病治療薬の走りである。

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